平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
水分補給の多機能化
第72回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2019年3月15日号
世界の軍隊で「水分補給」とは、単に水を飲むことに留まらず、脱水症の予防、下痢性疾患の水分補給、大量出血時の血液量の補充など、さまざまな役割を担うようになった。「経口補水液」(ORS:Oral Rehydration Solution)の発明により、年間100万人の小児が経口補水療法による恩恵を受け救命されている(世界保健機関の集計)ことは、「20世紀最大の医学上の進歩」と言われるほどだ。
ORSは71年、インドの医療援助隊が、内戦状態にあった東パキスタン(現バングラデシュ)から戦禍を逃れた難民3700人のコレラ患者に、経口補水療法を実施し、死亡率を30%から3.6%にまで改善させて以来、注目をされるようになった。
通常、水分は小腸を経て大腸で体内に吸収される。小腸は、全長6~7メートルで、2~4時間かけて栄養素の最終消化と吸収を終える。続く全長1~1.5メートルの...
世界の軍隊で「水分補給」とは、単に水を飲むことに留まらず、脱水症の予防、下痢性疾患の水分補給、大量出血時の血液量の補充など、さまざまな役割を担うようになった。「経口補水液」(ORS:Oral Rehydration Solution)の発明により、年間100万人の小児が経口補水療法による恩恵を受け救命されている(世界保健機関の集計)ことは、「20世紀最大の医学上の進歩」と言われるほどだ。
ORSは71年、インドの医療援助隊が、内戦状態にあった東パキスタン(現バングラデシュ)から戦禍を逃れた難民3700人のコレラ患者に、経口補水療法を実施し、死亡率を30%から3.6%にまで改善させて以来、注目をされるようになった。
通常、水分は小腸を経て大腸で体内に吸収される。小腸は、全長6~7メートルで、2~4時間かけて栄養素の最終消化と吸収を終える。続く全長1~1.5メートルの大
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