製薬業界と平成の30年
ボーダレス化の扉を開いた「ICH」
経済的思惑を超えて30年続く「奇跡的な会議体」
㈱薬新 井高恭彦
2019年4月1日号
国内主要製薬企業の海外売上高比率は今や50%近い。10%台だった90年代からすると隔世の感がある。「グローバル化」の旗を掲げて遮二無二に突き進んできた各社の努力の賜物である。しかし、平成の31年間を振り返る時、先進各国の規制当局による基盤整備があったことを忘れるべきではないだろう。日本、米国、EU3極の規制当局と製薬業界団体が同じテーブルで規制のハーモナイゼーションについて真摯に話し合う会議体、ICH(医薬品規制国際調和会議)の設立構想が湧きあがったのは、まさに平成が幕を開けた89(平成元)年の秋であった。
80年代は原油の供給不足と高騰、中東紛争の勃発などにより、「世界同時不況」が深刻化していた。先進各国にとって景気回復、経済活性化が喫緊の課題でさまざまな形態、ステージで各国間の話し合いが持たれた。こうした流れのなか、知的集約型で収益率が...
国内主要製薬企業の海外売上高比率は今や50%近い。10%台だった90年代からすると隔世の感がある。「グローバル化」の旗を掲げて遮二無二に突き進んできた各社の努力の賜物である。しかし、平成の31年間を振り返る時、先進各国の規制当局による基盤整備があったことを忘れるべきではないだろう。日本、米国、EU3極の規制当局と製薬業界団体が同じテーブルで規制のハーモナイゼーションについて真摯に話し合う会議体、ICH(医薬品規制国際調和会議)の設立構想が湧きあがったのは、まさに平成が幕を開けた89(平成元)年の秋であった。
80年代は原油の供給不足と高騰、中東紛争の勃発などにより、「世界同時不況」が深刻化していた。先進各国にとって景気回復、経済活性化が喫緊の課題でさまざまな形態、ステージで各国間の話し合いが持たれた。こうした流れのなか、知的集約型で収益率が高
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