平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
救命の連携に必要な役割分担
第73回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2019年4月1日号
3月に鳥取で開催された「日本災害医学会総会・学術集会」で、筆者は「自然災害、テロ、あらゆる重症傷病者同時多発事態に対処できる有事の医療的戦術教育」と題した発表を行った。内容は図「外傷死の3角形」などに関してだ。 ①「低体温」は医療従事者以外の人が担当すべき、②「外傷急性期凝固異常」についても早期の止血、「経口補水液」(ORS)などにより、かなりの部分を医療従事者以外の人が担当できるようになった、③医療従事者は代謝性アシドーシスの問題対処に専念し、残りの2つは「やってもらう」ことを追求すべき――というものだ。 さらに「誰もができることこそ多くの命を救う、医療専門技術で極限状況の命をつなぐ」ことが、有事において最大多数の最大救命における鍵になることなどを訴えた。 技術の進歩に伴い、AED(自動体外式除細動器)の性能が向上したため、救急外来でもAEDを活用す...
3月に鳥取で開催された「日本災害医学会総会・学術集会」で、筆者は「自然災害、テロ、あらゆる重症傷病者同時多発事態に対処できる有事の医療的戦術教育」と題した発表を行った。内容は図「外傷死の3角形」などに関してだ。 ①「低体温」は医療従事者以外の人が担当すべき、②「外傷急性期凝固異常」についても早期の止血、「経口補水液」(ORS)などにより、かなりの部分を医療従事者以外の人が担当できるようになった、③医療従事者は代謝性アシドーシスの問題対処に専念し、残りの2つは「やってもらう」ことを追求すべき――というものだ。 さらに「誰もができることこそ多くの命を救う、医療専門技術で極限状況の命をつなぐ」ことが、有事において最大多数の最大救命における鍵になることなどを訴えた。 技術の進歩に伴い、AED(自動体外式除細動器)の性能が向上したため、救急外来でもAEDを活用する
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