再生・細胞医療研究の「成果と弱点」
iPSの臨床応用は途上段階
2019年4月15日号
3月21〜23日、神戸市で第18回日本再生医療学会総会が開催された。注目の2演題を紹介する。 まずは京都大学の山中伸弥教授によるiPS細胞の臨床応用に関するアップデートだ。14年9月、理化学研究所の高橋政代氏らのグループが、滲出型加齢黄斑変性を対象に、患者自身の皮膚細胞からiPS細胞株を樹立し、その後、網膜色素上皮(RPE)に誘導して、シート化のうえ網膜下に移植した。 この患者の術後の状況を1年後に評価したところ、移植したRPEシートは当初の位置にとどまり、生着していた。新生血管病巣の再発はなく、黄斑部網膜の形態的改善が認められた。低下していた視機能は術後には維持に転じ、視覚に関するQOLも改善した。4年半経った現在もこの状況が続いているという。 15年に患者の細胞を使った2例目の移植を実施しようとしたが、iPS細胞からRPEを作成する段階で、iPS細胞の遺伝子を解析すると...
3月21〜23日、神戸市で第18回日本再生医療学会総会が開催された。注目の2演題を紹介する。 まずは京都大学の山中伸弥教授によるiPS細胞の臨床応用に関するアップデートだ。14年9月、理化学研究所の高橋政代氏らのグループが、滲出型加齢黄斑変性を対象に、患者自身の皮膚細胞からiPS細胞株を樹立し、その後、網膜色素上皮(RPE)に誘導して、シート化のうえ網膜下に移植した。 この患者の術後の状況を1年後に評価したところ、移植したRPEシートは当初の位置にとどまり、生着していた。新生血管病巣の再発はなく、黄斑部網膜の形態的改善が認められた。低下していた視機能は術後には維持に転じ、視覚に関するQOLも改善した。4年半経った現在もこの状況が続いているという。 15年に患者の細胞を使った2例目の移植を実施しようとしたが、iPS細胞からRPEを作成する段階で、iPS細胞の遺伝子を解析すると、が
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