Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング
がん治療の将来とマーケティング
第68回 細分化したがん遺伝子検査の課題と患者会の活躍
ジョージメイソン大学大学院(バージニア州) パブリックヘルス専攻 堀 玲子
2019年4月15日号
筆者が長年携わってきた医薬品のマーケティングリサーチは、製薬企業が自社の新製品を市場に出す際に、自社製品の医師の受容性評価や競合品との差別化を探る重要なステップである。生活習慣病、とくに高血圧や糖尿病の治療薬に関しては競合状況も激しいため、発売前に多くのリサーチが行われた。 MRの医師に対するメッセージやすべての使用資材も試された。 しかし、ここ最近はリサーチ内容が様変わりしている。生活習慣病領域の製品に関しては採用変化など製品のライフサイクルに沿ったトラッキング調査も一部を除けばビッグデータで取得され、ほとんど独自のマーケティングリサーチの需要はないように思われる。 反面、がん領域は多角的なマーケティング調査が要求されている。 とくにがんゲノム医療や医療現場での研究がここ最近急速に進んでおり、製品開発に至っても一部の製薬企業を除けば、...
筆者が長年携わってきた医薬品のマーケティングリサーチは、製薬企業が自社の新製品を市場に出す際に、自社製品の医師の受容性評価や競合品との差別化を探る重要なステップである。生活習慣病、とくに高血圧や糖尿病の治療薬に関しては競合状況も激しいため、発売前に多くのリサーチが行われた。 MRの医師に対するメッセージやすべての使用資材も試された。 しかし、ここ最近はリサーチ内容が様変わりしている。生活習慣病領域の製品に関しては採用変化など製品のライフサイクルに沿ったトラッキング調査も一部を除けばビッグデータで取得され、ほとんど独自のマーケティングリサーチの需要はないように思われる。 反面、がん領域は多角的なマーケティング調査が要求されている。 とくにがんゲノム医療や医療現場での研究がここ最近急速に進んでおり、製品開発に至っても一部の製薬企業を除けば、がん
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