「奥の手」まで使った特捜部の執念
異例の再逮捕で激震走るゴーン陣営
元特捜部主任検事 前田恒彦
2019年4月15日号
東京地検特捜部がカルロス・ゴーン氏を再逮捕した。保釈から1ヵ月が経ち、公判前整理手続も進められていた最中であり、異例の展開だ。弁護人すらも「予想していなかった」と本音を漏らすほどだ。
保釈中に再逮捕されたからといって、保釈が取り消されるわけではない。保釈保証金も取り上げられない。しかし、戻ってくるわけでもなく、利子も付かない。追起訴後は再び保釈を請求できるものの、追起訴事件分の保釈保証金を積み増ししなければならない。保釈後の再逮捕は、経済的にも被告人のダメージが大きい。
もちろん、逮捕や勾留は事件単位で可能というのが法の建前であり、理論的には10の事件で10回の逮捕もできる。逆に、保釈の可否も事件ごとに判断されるから、余罪捜査のために却下することは許されない。
それでも、保釈が無駄足にならないようにす...
東京地検特捜部がカルロス・ゴーン氏を再逮捕した。保釈から1ヵ月が経ち、公判前整理手続も進められていた最中であり、異例の展開だ。弁護人すらも「予想していなかった」と本音を漏らすほどだ。
保釈中に再逮捕されたからといって、保釈が取り消されるわけではない。保釈保証金も取り上げられない。しかし、戻ってくるわけでもなく、利子も付かない。追起訴後は再び保釈を請求できるものの、追起訴事件分の保釈保証金を積み増ししなければならない。保釈後の再逮捕は、経済的にも被告人のダメージが大きい。
もちろん、逮捕や勾留は事件単位で可能というのが法の建前であり、理論的には10の事件で10回の逮捕もできる。逆に、保釈の可否も事件ごとに判断されるから、余罪捜査のために却下することは許されない。
それでも、保釈が無駄足にならないようにするた
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