平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
20分しかもたない陸自隊員の命
第75回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2019年5月1日号
18年10月2日、米国海兵隊とフィリピン海兵隊の共同訓練に参加中の陸上自衛隊員を乗せた車が事故を起こし、水陸機動団の前原傑等陸曹が頭部外傷により6日に死亡した。陸上幕僚監部によると、海外での訓練中に死者が出るのは初めてである。頭部外傷を負った陸上自衛官がフィリピンの病院で放置され、日本に後送もされず、現地で4日後に死亡したことは問題だと指摘したのが、佐々木勝医師(元東京都保健医療公社副理事長)だった。佐々木氏は、防衛省の「自衛隊第一線の適確な救命に関する検討会」の座長を務めていた。
佐々木氏は同年12月18日、元東京都知事の石原慎太郎氏と、自衛隊の医療体制の問題について外国特派員協会で記者会見を行った。内容は、死亡した自衛隊員が4日間現地の病院で生き延びたにもかかわらず、重症傷病者を搬送する航空自衛隊の専用機を使わなかったことや、佐々...
18年10月2日、米国海兵隊とフィリピン海兵隊の共同訓練に参加中の陸上自衛隊員を乗せた車が事故を起こし、水陸機動団の前原傑等陸曹が頭部外傷により6日に死亡した。陸上幕僚監部によると、海外での訓練中に死者が出るのは初めてである。頭部外傷を負った陸上自衛官がフィリピンの病院で放置され、日本に後送もされず、現地で4日後に死亡したことは問題だと指摘したのが、佐々木勝医師(元東京都保健医療公社副理事長)だった。佐々木氏は、防衛省の「自衛隊第一線の適確な救命に関する検討会」の座長を務めていた。
佐々木氏は同年12月18日、元東京都知事の石原慎太郎氏と、自衛隊の医療体制の問題について外国特派員協会で記者会見を行った。内容は、死亡した自衛隊員が4日間現地の病院で生き延びたにもかかわらず、重症傷病者を搬送する航空自衛隊の専用機を使わなかったことや、佐々木
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録