眺望 医薬街道
再生医療製品のルール策定を急げ
近藤正觀
2019年5月15日号
脊髄損傷の治療に用いるニプロの再生医療製品「ステミラック注」が2月26日薬価収載された。約1500万円と高額だ。再生医療製品は、医薬品・医療機器に次ぐ第三の治療分野を確立しつつある。再生医療とは細胞の再生能力を活性化させ、病気を治癒する医療のことをさす。病気や怪我で損なわれた臓器や組織を再生医療によって正常な状態に回復させる治療だ。 世界で再生医療製品の開発に鎬が削られている。イモリは足や尻尾が切れても組織が再生するが、人間はそうはいかない。身体の一部を失ったり、機能しなくなると医薬品や医療機器に頼らざるを得ない。自家細胞・他家細胞を用いた再生医療が普及すれば、失われた身体の一部や機能を取り戻すことが可能な時代に突入する。 ステミラック注はニプロが札幌医科大学と共同開発したもので、先駆け審査指定制度の再生医療製品として、18年12月28日に世界で初...
脊髄損傷の治療に用いるニプロの再生医療製品「ステミラック注」が2月26日薬価収載された。約1500万円と高額だ。再生医療製品は、医薬品・医療機器に次ぐ第三の治療分野を確立しつつある。再生医療とは細胞の再生能力を活性化させ、病気を治癒する医療のことをさす。病気や怪我で損なわれた臓器や組織を再生医療によって正常な状態に回復させる治療だ。 世界で再生医療製品の開発に鎬が削られている。イモリは足や尻尾が切れても組織が再生するが、人間はそうはいかない。身体の一部を失ったり、機能しなくなると医薬品や医療機器に頼らざるを得ない。自家細胞・他家細胞を用いた再生医療が普及すれば、失われた身体の一部や機能を取り戻すことが可能な時代に突入する。 ステミラック注はニプロが札幌医科大学と共同開発したもので、先駆け審査指定制度の再生医療製品として、18年12月28日に世界で初め
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