医薬経済オンライン

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「疑念」が深まるばかりの改訂高血圧GL

「130/80㎜Hg未満」の科学的根拠はどこに

2019年6月1日号

 4月25日、日本高血圧学会から新たな高血圧ガイドライン(GL)が刊行された。今回の目玉は「降圧目標値の引き下げ」だ。合併症や臓器障害のない、つまり心血管系リスクの低い高血圧の降圧目標が、前回GLまでの「140/90㎜Hg未満」から「130/80㎜Hg未満」に引き下げられた。  しかしこの推奨には科学的根拠(エビデンス)がない。GL自体が認めているところで、14年に公表された前回GL作成時に「合併症のない高血圧患者を対象とした介入試験において、130㎜Hg未満への降圧による予後の改善は明らかでなく」、その後もこのような低リスク高血圧に対する収縮期血圧「130㎜Hg未満への降圧」が有用と証明する臨床試験は報告されていないと、52頁に記されている。  にもかかわらず、「これらのいくつかの臨床試験のメタ解析」では、収縮期血圧130㎜Hg未満への降圧で「...  4月25日、日本高血圧学会から新たな高血圧ガイドライン(GL)が刊行された。今回の目玉は「降圧目標値の引き下げ」だ。合併症や臓器障害のない、つまり心血管系リスクの低い高血圧の降圧目標が、前回GLまでの「140/90㎜Hg未満」から「130/80㎜Hg未満」に引き下げられた。  しかしこの推奨には科学的根拠(エビデンス)がない。GL自体が認めているところで、14年に公表された前回GL作成時に「合併症のない高血圧患者を対象とした介入試験において、130㎜Hg未満への降圧による予後の改善は明らかでなく」、その後もこのような低リスク高血圧に対する収縮期血圧「130㎜Hg未満への降圧」が有用と証明する臨床試験は報告されていないと、52頁に記されている。  にもかかわらず、「これらのいくつかの臨床試験のメタ解析」では、収縮期血圧130㎜Hg未満への降圧で「冠

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