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鳥集徹の口に苦い話 〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

高額薬価が決まった「キムリア」 治療費賄う「基金」設立検討を

第87回

鳥集徹

2019年6月1日号

 白血病のCAR-T細胞療法製剤「キムリア」(ノバルティスファーマ)の薬価が、5月15日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)総会で3349万円3407円に決まった。「オプジーボ」をはじめ高額な薬が次々に登場し、医療財政を圧迫するのではと心配されているなか、キムリアの薬価は「過去最高」額となった。ただ、キムリアの製造法を見ると、それくらいのお金がかかるのは、致し方ないのかもしれないと思う。 まず、国内の病院で患者から白血球を採取する。そして院内の細胞処理施設で「T細胞」を分離・凍結保存して、米ニュージャージー州にあるノバルティスの施設に送る。そこでT細胞にがん細胞を攻撃するよう遺伝子操作して、キムリアを製造。日本に送り返してもらって、白血球を取り出した患者の体内に点滴で入れる。この製造期間に約2ヵ月かかるという(朝日新聞「白血病新薬に保険適用『キムリア...  白血病のCAR-T細胞療法製剤「キムリア」(ノバルティスファーマ)の薬価が、5月15日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)総会で3349万円3407円に決まった。「オプジーボ」をはじめ高額な薬が次々に登場し、医療財政を圧迫するのではと心配されているなか、キムリアの薬価は「過去最高」額となった。ただ、キムリアの製造法を見ると、それくらいのお金がかかるのは、致し方ないのかもしれないと思う。 まず、国内の病院で患者から白血球を採取する。そして院内の細胞処理施設で「T細胞」を分離・凍結保存して、米ニュージャージー州にあるノバルティスの施設に送る。そこでT細胞にがん細胞を攻撃するよう遺伝子操作して、キムリアを製造。日本に送り返してもらって、白血球を取り出した患者の体内に点滴で入れる。この製造期間に約2ヵ月かかるという(朝日新聞「白血病新薬に保険適用『キムリア』

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