世界の医薬品業界
遺伝子療法の薬価設定、その動向と背景
第147回
研ファーマ・ブレーン 永江研太郎
2019年6月15日号
欧州では6月4日、米ブルーバード・バイオの輸血依存性のβサラセミア(地中海貧血)に対する遺伝子治療の「ジンテグロ」が暫定承認された。これはβ鎖に異常があって輸血が生涯必要となり、治療するには同種造血幹細胞移植が必要となるがドナーが見つからない12歳以上の患者が対象で、その患者から採取したCD34+の幹細胞をβ鎖に対して働くように遺伝子を変換し、患者に戻して治療するもの。現在は長期的な安全性や効果を確認するための第Ⅲ相試験を行っていることから暫定承認となった。ブルーバードは遺伝子療法革命の先鋒と呼ばれ、株式の市場価値が1年前には約110億ドル(1.2兆円)となったベンチャーで(6月上旬には70億ドル割れ)、22年までに4つの遺伝子療法の承認をめざしている。
欧州のジンテグロの製造はドイツのアプセス・バイオファーマが行うと発表された。日本の日立化成が4...
欧州では6月4日、米ブルーバード・バイオの輸血依存性のβサラセミア(地中海貧血)に対する遺伝子治療の「ジンテグロ」が暫定承認された。これはβ鎖に異常があって輸血が生涯必要となり、治療するには同種造血幹細胞移植が必要となるがドナーが見つからない12歳以上の患者が対象で、その患者から採取したCD34+の幹細胞をβ鎖に対して働くように遺伝子を変換し、患者に戻して治療するもの。現在は長期的な安全性や効果を確認するための第Ⅲ相試験を行っていることから暫定承認となった。ブルーバードは遺伝子療法革命の先鋒と呼ばれ、株式の市場価値が1年前には約110億ドル(1.2兆円)となったベンチャーで(6月上旬には70億ドル割れ)、22年までに4つの遺伝子療法の承認をめざしている。
欧州のジンテグロの製造はドイツのアプセス・バイオファーマが行うと発表された。日本の日立化成が4月
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