医薬経済オンライン

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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

「救命手当」などの定義の整理

第78回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2019年6月15日号

 5月28日に発生した川崎殺傷事件の報道では「救命手当」「救急処置」「応急治療」「傷病者」「患者」などの言葉がさまざまなメディアで用いられた。最近では、国会でも「TCCC」(ティー・トリプル・シー)、「TECC」(テック・シー)などの言葉が答弁で聞かれるようになり、筆者はここで一連の言葉の定義について整理が必要だと感じている。  筆者がかつて陸上自衛隊に所属していた頃、自衛隊衛生科職種の幹部のなかに、最も基本となる「傷病者」と「患者」の違いについて、正しく理解していない人が多いことに驚いたことがある。  これは12年のことだったが、1人、2人に聞いてみたということではなく陸自衛生学校に集められた、総理大臣の命令に基づく衛生科の幹部上級課程教育(約20人)が行われているなかでの質問だ。その衛生科幹部である学生はほぼ全員、さらに課程主任...  5月28日に発生した川崎殺傷事件の報道では「救命手当」「救急処置」「応急治療」「傷病者」「患者」などの言葉がさまざまなメディアで用いられた。最近では、国会でも「TCCC」(ティー・トリプル・シー)、「TECC」(テック・シー)などの言葉が答弁で聞かれるようになり、筆者はここで一連の言葉の定義について整理が必要だと感じている。  筆者がかつて陸上自衛隊に所属していた頃、自衛隊衛生科職種の幹部のなかに、最も基本となる「傷病者」と「患者」の違いについて、正しく理解していない人が多いことに驚いたことがある。  これは12年のことだったが、1人、2人に聞いてみたということではなく陸自衛生学校に集められた、総理大臣の命令に基づく衛生科の幹部上級課程教育(約20人)が行われているなかでの質問だ。その衛生科幹部である学生はほぼ全員、さらに課程主任(

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