医薬経済オンライン

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田辺三菱が抱える「ジレニア紛争」

ロイヤリティ戦略の「怖さ」が表面化

㈱薬新 井高恭彦

2019年7月1日号

 田辺三菱製薬とノバルティスファーマが多発性硬化症治療薬「ジレニア」のロイヤリティ契約で揉めている。18年末頃、ノバルティスが「支払い契約の一部は無効」と疑義を提起、これに対して田辺三菱は「契約は有効。全額を支払うべき」との立場で双方の意見は真っ向から対立している。  19年2月、スイス・ノバルティスが国際商業会議所(ICC)に仲裁を申し立てて両社の揉め事が明るみに出た。国際会計基準(IFRS)の規定により、意見対立が生じている部分は仲裁が終結するまで決算に計上できなくなった。そのため田辺三菱が19年度予想で掲げたロイヤリティの合計収入は前年度比▲439億円の192億円まで落ち込んだ。減少額の内訳は明かしていないが、大半はジレニアによるものとみられる。過去の数値から推測するとジレニアの揉め事で宙に浮いたロイヤリティ収入は300億円を下らないのではない...  田辺三菱製薬とノバルティスファーマが多発性硬化症治療薬「ジレニア」のロイヤリティ契約で揉めている。18年末頃、ノバルティスが「支払い契約の一部は無効」と疑義を提起、これに対して田辺三菱は「契約は有効。全額を支払うべき」との立場で双方の意見は真っ向から対立している。  19年2月、スイス・ノバルティスが国際商業会議所(ICC)に仲裁を申し立てて両社の揉め事が明るみに出た。国際会計基準(IFRS)の規定により、意見対立が生じている部分は仲裁が終結するまで決算に計上できなくなった。そのため田辺三菱が19年度予想で掲げたロイヤリティの合計収入は前年度比▲439億円の192億円まで落ち込んだ。減少額の内訳は明かしていないが、大半はジレニアによるものとみられる。過去の数値から推測するとジレニアの揉め事で宙に浮いたロイヤリティ収入は300億円を下らないのではないか

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