医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

ゾルゲンスマの米ICER評価結果

第48回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2019年7月1日号

 14~15年の抗PD1抗体「オプジーボ」やC型肝炎治療薬「ソバルディ」から、最近のCAR–T細胞療法「キムリア」まで――。HTA(医療技術評価)、広くは医療保険制度のあり方について、「目立つ」高額薬剤が、議論の方向性に与えた影響は大きい。第1波のオプジーボ、ソバルディが、「オカネとクスリ」の議論を一般化させ、第2波のCAR–Tにより、保険適用にメリハリをつける議論がタブーでなくなりつつある。費用対効果の議論が、財政影響に主眼を置いたものから、高額であることそのものへの説明責任に変容している。  新しい基準「目立つか否か」を考えた際に、次なる標的となり得るのが、脊髄性筋萎縮症(SMA、日本での罹患率は10万人あたり1~2人)の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」だ。乳児のSMA患者の大半は、SMN1遺伝子の欠損が病因。ゾルゲンスマは正常なSMN遺伝子をベクターで補充して根本治...  14~15年の抗PD1抗体「オプジーボ」やC型肝炎治療薬「ソバルディ」から、最近のCAR–T細胞療法「キムリア」まで――。HTA(医療技術評価)、広くは医療保険制度のあり方について、「目立つ」高額薬剤が、議論の方向性に与えた影響は大きい。第1波のオプジーボ、ソバルディが、「オカネとクスリ」の議論を一般化させ、第2波のCAR–Tにより、保険適用にメリハリをつける議論がタブーでなくなりつつある。費用対効果の議論が、財政影響に主眼を置いたものから、高額であることそのものへの説明責任に変容している。  新しい基準「目立つか否か」を考えた際に、次なる標的となり得るのが、脊髄性筋萎縮症(SMA、日本での罹患率は10万人あたり1~2人)の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」だ。乳児のSMA患者の大半は、SMN1遺伝子の欠損が病因。ゾルゲンスマは正常なSMN遺伝子をベクターで補充して根本治療

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