医政羅針盤
首相指示が出されても五里霧中の地域医療構想
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2019年7月1日号
5月31日に開催された経済財政諮問会議で、安倍晋三首相は根本匠厚生労働相に対して、地域医療構想の進捗を管理しながら確実に実行するよう指示した。地域医療構想については、これまでも経済財政諮問会議で繰り返し取り上げられてきたが、この日も麻生太郎財務相が「地域医療構想は不十分」と批判している。追加的な支援策などの検討も進められているが、病床機能の見直しや病院再編の動きが加速するのかは、五里霧中だと言わざるを得ない。
地域医療構想を確実に実行すると言っても、厚労省が認めている通り、必要病床数は患者数をベースに推計しているのに対して、病床機能報告は病棟単位で機能を選択しており、個々の病棟単位での患者の割合などを正確に反映したものではないため、数値が一致するとは限らない。従って、どうしても機能別必要病床数との乖離は生じるのだ。
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5月31日に開催された経済財政諮問会議で、安倍晋三首相は根本匠厚生労働相に対して、地域医療構想の進捗を管理しながら確実に実行するよう指示した。地域医療構想については、これまでも経済財政諮問会議で繰り返し取り上げられてきたが、この日も麻生太郎財務相が「地域医療構想は不十分」と批判している。追加的な支援策などの検討も進められているが、病床機能の見直しや病院再編の動きが加速するのかは、五里霧中だと言わざるを得ない。
地域医療構想を確実に実行すると言っても、厚労省が認めている通り、必要病床数は患者数をベースに推計しているのに対して、病床機能報告は病棟単位で機能を選択しており、個々の病棟単位での患者の割合などを正確に反映したものではないため、数値が一致するとは限らない。従って、どうしても機能別必要病床数との乖離は生じるのだ。
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