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医政羅針盤

解消しない医師不足問題と医療提供体制

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2019年7月15日号

 これまでに出された医師不足に関する数値を眺めていて、奇妙な発見をした。厚生労働省が2月18日の医師需給分科会で示した将来時点における不足医師数の推計結果によると、36年時点で医師の供給数(上位推計)が必要数を下回る二次医療圏は約220で、それらを合計すると約2.4万人の医師が不足することになる。  他方、東京都の区中央部二次医療圏を筆頭に、供給数が必要数を上回っている地域も存在する。それらを相殺すると、36年時点では医師数に余剰が生じるため、国全体の総数の問題だけではなく、偏在の是正が必要ということになる。だが、不足地域のみに着目すれば、約2.4万人の不足ということになり、この数字が新聞などでも大きく報じられた。  ところで、約2.4万人という医師不足数はどこかで見たことがあると思っていたところ、厚労省が10年に発表した...  これまでに出された医師不足に関する数値を眺めていて、奇妙な発見をした。厚生労働省が2月18日の医師需給分科会で示した将来時点における不足医師数の推計結果によると、36年時点で医師の供給数(上位推計)が必要数を下回る二次医療圏は約220で、それらを合計すると約2.4万人の医師が不足することになる。  他方、東京都の区中央部二次医療圏を筆頭に、供給数が必要数を上回っている地域も存在する。それらを相殺すると、36年時点では医師数に余剰が生じるため、国全体の総数の問題だけではなく、偏在の是正が必要ということになる。だが、不足地域のみに着目すれば、約2.4万人の不足ということになり、この数字が新聞などでも大きく報じられた。  ところで、約2.4万人という医師不足数はどこかで見たことがあると思っていたところ、厚労省が10年に発表した「病

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