医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話 〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

抗菌薬「供給不足問題」契機に 国策として総合的に見直せ

第91回

鳥集徹

2019年8月1日号

 韓国に対する日本の輸出管理問題で、「サプライチェーン」という言葉がにわかに注目された。半導体や自動車など多くの素材や部品を必要とする製造業は、もはや一国内だけでは成り立たず、多くの国が供給元としてつながっている。そのため、どこかひとつでも供給が滞ると、グローバルに影響が出る時代となった。 このサプライチェーンという言葉を、製薬関連のニュースでも目にした。イタリアの企業から仕入れている原薬の異物混入問題などで、日医工の抗菌薬「セファゾリン」の欠品状態が続いているという。また、ペニシリン系抗菌薬「タゾピペ」も、中国チルワンの原薬工場で死者10人を出す大事故が起こり、製造がストップして品薄状態となっている。 とくにセファゾリンはMRSA(メシチリン感受性黄色ブドウ球菌)の第1選択薬で、術後感染予防にも使われるというから深刻だ。この事態を受けて厚生労...  韓国に対する日本の輸出管理問題で、「サプライチェーン」という言葉がにわかに注目された。半導体や自動車など多くの素材や部品を必要とする製造業は、もはや一国内だけでは成り立たず、多くの国が供給元としてつながっている。そのため、どこかひとつでも供給が滞ると、グローバルに影響が出る時代となった。 このサプライチェーンという言葉を、製薬関連のニュースでも目にした。イタリアの企業から仕入れている原薬の異物混入問題などで、日医工の抗菌薬「セファゾリン」の欠品状態が続いているという。また、ペニシリン系抗菌薬「タゾピペ」も、中国チルワンの原薬工場で死者10人を出す大事故が起こり、製造がストップして品薄状態となっている。 とくにセファゾリンはMRSA(メシチリン感受性黄色ブドウ球菌)の第1選択薬で、術後感染予防にも使われるというから深刻だ。この事態を受けて厚生労働

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