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時流遡航

哲学の脇道遊行記ーその実景探訪

第22回 ─人間の精神的エネルギーの流れを支えるのは歴史─

本田成親

2019年8月15日号

 我われ人類の存在様態から類推してみますと、人間という生命体は、過去と未来をその生態から完全に切除放棄し、現在という名の「この瞬間」のみに立脚することによって生き続けることはできそうにありません。それが清らかなものであろうとも、また濁ったものであろうとも、物理化学的エネルギーの流れと、副次的に生みもたらされる精神的エネルギーの流れとの双方に支えられながら、我われ人間は営々と命を紡ぎつないでいるからです。そして興味深くかつ不可思議なことには、それらのエネルギーの流れは、清らかに澄みきったものだけでもいけないし、逆に黒くドロドロに濁りきったものだけでもいけないようなのです。  「水清ければ魚棲まず」とは昔から伝わる有名な諺ですが、この際、それに「されど、水黒くても魚棲まず」という補足文を加えて全体的なバランスをとるようにしたほうが...  我われ人類の存在様態から類推してみますと、人間という生命体は、過去と未来をその生態から完全に切除放棄し、現在という名の「この瞬間」のみに立脚することによって生き続けることはできそうにありません。それが清らかなものであろうとも、また濁ったものであろうとも、物理化学的エネルギーの流れと、副次的に生みもたらされる精神的エネルギーの流れとの双方に支えられながら、我われ人間は営々と命を紡ぎつないでいるからです。そして興味深くかつ不可思議なことには、それらのエネルギーの流れは、清らかに澄みきったものだけでもいけないし、逆に黒くドロドロに濁りきったものだけでもいけないようなのです。  「水清ければ魚棲まず」とは昔から伝わる有名な諺ですが、この際、それに「されど、水黒くても魚棲まず」という補足文を加えて全体的なバランスをとるようにしたほうがよ

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