鳥集徹の口に苦い話 〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
「薬価の透明化」の問題 大手メディアも世論喚起を
第93回
鳥集徹
2019年9月1日号
「CAR-T療法は『200万円』でできる」 名古屋大学名誉教授の小島勢二氏(名古屋小児がん基金理事長)の主張を本誌の姉妹紙RISFAX(7月31日付)で読み、我が不明を恥じた。 3349万円3407円という高額薬価が話題となったCAR-T療法製剤「キムリア」について、以前の当コラム(第87回)で「キムリアの製造法を見ると、それくらいのお金がかかるのは、致し方ないのかもしれないと思う」と書いたからだ。 名大で独自のCAR-T療法の開発に携わった小島氏によると、培養はそれほど手間のかかるものではなく、大学が製剤化を手がけ、自施設の患者に投与するかたちをとれば、CAR-Tなどの遺伝子治療は200万円でできるという。 それなのになぜ、これほど高額になるのか。2363万円とされるキムリア総原価のうち、ノバルティスが導入元の米ペンシルバニア大学に支払っているパテント料が多くを占めているとみられると...
「CAR-T療法は『200万円』でできる」 名古屋大学名誉教授の小島勢二氏(名古屋小児がん基金理事長)の主張を本誌の姉妹紙RISFAX(7月31日付)で読み、我が不明を恥じた。 3349万円3407円という高額薬価が話題となったCAR-T療法製剤「キムリア」について、以前の当コラム(第87回)で「キムリアの製造法を見ると、それくらいのお金がかかるのは、致し方ないのかもしれないと思う」と書いたからだ。 名大で独自のCAR-T療法の開発に携わった小島氏によると、培養はそれほど手間のかかるものではなく、大学が製剤化を手がけ、自施設の患者に投与するかたちをとれば、CAR-Tなどの遺伝子治療は200万円でできるという。 それなのになぜ、これほど高額になるのか。2363万円とされるキムリア総原価のうち、ノバルティスが導入元の米ペンシルバニア大学に支払っているパテント料が多くを占めているとみられると小
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