医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

キムリアも半額以下が妥当?

第1回

医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也

2019年9月1日号

 次々と登場する超高額薬が話題だ。この5月に日本での保険適用が決まったノバルティスファーマの血液がん治療薬「キムリア点滴静注」の薬価は、1回の投薬で約3349万円に上った。 患者自身の免疫細胞の遺伝子を体外で操作し薬として戻す画期的な技術、CAR–T細胞療法が用いられる。原価計算方式での算定で、有用性加算35%、市場性加算10%が付けられ、製品総原価は約2363万円とされた。日本より先に承認販売されている米国、英国、ドイツの価格は約4117万円から6270万円であり、それも参考にされたうえでの薬価算定だ。 米国などより安く設定されていることを考えると、薬価基準上で過去最高額といえども、ある程度納得せざるを得ない値付けのようにも見える。ただし、日本よりも高額な米国では、8割程度と見込まれているキムリアの有効性が確認された場合にのみ、その支払いが生じる成功報酬型の仕組...  次々と登場する超高額薬が話題だ。この5月に日本での保険適用が決まったノバルティスファーマの血液がん治療薬「キムリア点滴静注」の薬価は、1回の投薬で約3349万円に上った。 患者自身の免疫細胞の遺伝子を体外で操作し薬として戻す画期的な技術、CAR–T細胞療法が用いられる。原価計算方式での算定で、有用性加算35%、市場性加算10%が付けられ、製品総原価は約2363万円とされた。日本より先に承認販売されている米国、英国、ドイツの価格は約4117万円から6270万円であり、それも参考にされたうえでの薬価算定だ。 米国などより安く設定されていることを考えると、薬価基準上で過去最高額といえども、ある程度納得せざるを得ない値付けのようにも見える。ただし、日本よりも高額な米国では、8割程度と見込まれているキムリアの有効性が確認された場合にのみ、その支払いが生じる成功報酬型の仕組みが

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