医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

医療保険制度改革の選択肢(10)

第52回

ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳

2019年9月1日号

 公的医療保険制度の歴史や論点を探る全10回の最終回は制度改革の選択肢を示す。シリーズではさまざまな論点を網羅したが、筆者が見る限り、最大の論点は3月1日号で取り上げた「高齢者医療費の確保」と、6月1日号で考察した「雇用形態の多様化への対応」の2つである。前者は、会社を退職した高齢者が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入しており、その財源確保が問われている点。後者では雇用形態が多様化するなか、被用者保険(健康保険組合など)に入れない非正規雇用の労働者が高い保険料負担を強いられる不均衡な構造が課題だ。この2つの「同時解決」は決して容易ではないが、どんな制度改革が考えられるのだろうか。  直近の大規模改革は08年度だった。図のとおりに、ⓐ高齢者に特化した保険制度をつくる独立保険方式、ⓑ被用者保険OBを対象とした保険者(保険制度を運営する主体)...  公的医療保険制度の歴史や論点を探る全10回の最終回は制度改革の選択肢を示す。シリーズではさまざまな論点を網羅したが、筆者が見る限り、最大の論点は3月1日号で取り上げた「高齢者医療費の確保」と、6月1日号で考察した「雇用形態の多様化への対応」の2つである。前者は、会社を退職した高齢者が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入しており、その財源確保が問われている点。後者では雇用形態が多様化するなか、被用者保険(健康保険組合など)に入れない非正規雇用の労働者が高い保険料負担を強いられる不均衡な構造が課題だ。この2つの「同時解決」は決して容易ではないが、どんな制度改革が考えられるのだろうか。  直近の大規模改革は08年度だった。図のとおりに、ⓐ高齢者に特化した保険制度をつくる独立保険方式、ⓑ被用者保険OBを対象とした保険者(保険制度を運営する主体)を

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