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時流遡航

哲学の脇道遊行記ーその実景探訪

第23回 ─歴史的想像力の働かせ方について考える─

本田成親

2019年9月1日号

 想像力を喚起しながら歴史というものを展望するとき、ひとつだけ注意しなければならないことがあるようです。我われは、歴史的事象を考察するに際して、無意識のうちに現在を基点にして過去を振り返り、現在の世界に置かれた光源から放たれる「思考と想像力の光」によって過去の世界を照らし出そうとするものです。  ついついそれが当然のように思い込み、そんな手法について深く考えることなどないのですが、実を言うとそこには大きな問題点が潜んでいるのです。誰もが当然と思ってしまいがちなその視点に立って過去の諸事象を眺めようとすると、それらの事象の背景や変遷推移の過程には十分に想像力が及ばず、そこで思考が停止してしまうことが多いのです。  古代生物の化石類を無感動のまま過去の単なる遺物として眺めてしまうと、それらを介して遠い過去の出来事が活き...  想像力を喚起しながら歴史というものを展望するとき、ひとつだけ注意しなければならないことがあるようです。我われは、歴史的事象を考察するに際して、無意識のうちに現在を基点にして過去を振り返り、現在の世界に置かれた光源から放たれる「思考と想像力の光」によって過去の世界を照らし出そうとするものです。  ついついそれが当然のように思い込み、そんな手法について深く考えることなどないのですが、実を言うとそこには大きな問題点が潜んでいるのです。誰もが当然と思ってしまいがちなその視点に立って過去の諸事象を眺めようとすると、それらの事象の背景や変遷推移の過程には十分に想像力が及ばず、そこで思考が停止してしまうことが多いのです。  古代生物の化石類を無感動のまま過去の単なる遺物として眺めてしまうと、それらを介して遠い過去の出来事が活き活き

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