技術革新と製薬企業の明日
モダリティを再点検すべき
第108回 戦略を持っている日本企業は
生島准
2019年9月15日号
「10年後、私たちは医薬品(低分子)を製造する企業ではなくなってしまうかもしれない」と嘆くのは中外製薬の役員だ。同社は19年12月期の売上高を5280億円と予想するが、その64.4%がバイオ医薬となる見込みだ。こうした企業の役員がまだ医薬品と呼ぶのが低分子医薬を意味する意識の遅れに驚くが、中外はバイオ企業へと急速に変貌しつつある。米ファイザーやスイス・ノバルティスなどのビッグファーマは、もはや自社をバイオ企業と呼称している。日本は、中外と協和キリンを除き、20世紀末に起こったバイオ医薬の波に乗り遅れた。経営陣が化学合成技術による生活習慣病薬の成功に胡坐をかいた結果である。
問題は、バイオ医薬のイノベーションは生体医薬と抗体医薬にとどまらず、遺伝子治療、細胞医薬・再生医療、核酸医薬、中分子など、新しいモダリティの実用化の波が21世紀に入って、次...
「10年後、私たちは医薬品(低分子)を製造する企業ではなくなってしまうかもしれない」と嘆くのは中外製薬の役員だ。同社は19年12月期の売上高を5280億円と予想するが、その64.4%がバイオ医薬となる見込みだ。こうした企業の役員がまだ医薬品と呼ぶのが低分子医薬を意味する意識の遅れに驚くが、中外はバイオ企業へと急速に変貌しつつある。米ファイザーやスイス・ノバルティスなどのビッグファーマは、もはや自社をバイオ企業と呼称している。日本は、中外と協和キリンを除き、20世紀末に起こったバイオ医薬の波に乗り遅れた。経営陣が化学合成技術による生活習慣病薬の成功に胡坐をかいた結果である。
問題は、バイオ医薬のイノベーションは生体医薬と抗体医薬にとどまらず、遺伝子治療、細胞医薬・再生医療、核酸医薬、中分子など、新しいモダリティの実用化の波が21世紀に入って、次々
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