医政羅針盤
EBPMの不足とデータの過剰
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2019年9月15日号
近年、「エビデンスに基づく政策立案」(EBPM)の必要性が叫ばれている。それは医療政策も例外ではない。かつて医療政策は「勘と度胸」で形成されているとも言われてきたが、それだけでは恣意的で歪んだ政策になってしまう。
言うまでもなく、政策は最終的に政治的意思決定プロセスを経る以上、正しいかどうかだけではなく、政治力や政治的判断によって大きく左右される。だが、その検討の過程では、根拠に基づいて議論することは不可欠であり、データ分析による評価への社会的要請が高まるのは当然のことだ。
医療政策では、地域医療構想の実現に向けて、それぞれの構想区域の医療提供体制の実態と将来的な見通しに関するデータ分析に基づいて、今後の医療需要の変化を見据えた医療提供体制改革の取り組みが推進されている。また、診療報酬・薬価制度改革では、費用対効...
近年、「エビデンスに基づく政策立案」(EBPM)の必要性が叫ばれている。それは医療政策も例外ではない。かつて医療政策は「勘と度胸」で形成されているとも言われてきたが、それだけでは恣意的で歪んだ政策になってしまう。
言うまでもなく、政策は最終的に政治的意思決定プロセスを経る以上、正しいかどうかだけではなく、政治力や政治的判断によって大きく左右される。だが、その検討の過程では、根拠に基づいて議論することは不可欠であり、データ分析による評価への社会的要請が高まるのは当然のことだ。
医療政策では、地域医療構想の実現に向けて、それぞれの構想区域の医療提供体制の実態と将来的な見通しに関するデータ分析に基づいて、今後の医療需要の変化を見据えた医療提供体制改革の取り組みが推進されている。また、診療報酬・薬価制度改革では、費用対効果評
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