Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング
グローバルヘルスと日本企業
第73回 生活習慣病対策も課題に
ジョージメイソン大学大学院(バージニア州) パブリックヘルス専攻 堀 玲子
2019年9月15日号
8月下旬に横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が開催された。こうした機会に、東アフリカでの医療ビジネス視察ツアーが催行されるなど、日本にとってなかなか馴染みの薄いアフリカが注目されている。 日本以外の新興国の医療を考えるにあたっては、グローバルヘルスの考え方を抜きにしては語れない。米国滞在中、大学院で学生に最も人気が高く注目を集めていたのはグローバルヘルスの講義だった。もちろん、米国には多くの国際機関やNGOなど世界の医療に貢献する機関や組織が存在しており、学生や研究者にとっても憧れの職場となっている。 私が所属する米国のジョージメイスン大学大学院ではグローバルヘルスの課外授業の一環で毎年、ケニアでの真ダニ採取のプロジェクトがある。ケニアの草原で白い布を特定の野原に敷き、それに集まってくる真ダニを採取・冷凍し、そのRNAを保存したまま米国に送る。...
8月下旬に横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が開催された。こうした機会に、東アフリカでの医療ビジネス視察ツアーが催行されるなど、日本にとってなかなか馴染みの薄いアフリカが注目されている。 日本以外の新興国の医療を考えるにあたっては、グローバルヘルスの考え方を抜きにしては語れない。米国滞在中、大学院で学生に最も人気が高く注目を集めていたのはグローバルヘルスの講義だった。もちろん、米国には多くの国際機関やNGOなど世界の医療に貢献する機関や組織が存在しており、学生や研究者にとっても憧れの職場となっている。 私が所属する米国のジョージメイスン大学大学院ではグローバルヘルスの課外授業の一環で毎年、ケニアでの真ダニ採取のプロジェクトがある。ケニアの草原で白い布を特定の野原に敷き、それに集まってくる真ダニを採取・冷凍し、そのRNAを保存したまま米国に送る。その
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