OBSERVER
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院乳腺外科医長 岩谷胤生
2019年10月1日号
費用対効果評価に患者目線を――JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)で日本人の乳がん患者が考える「生命」と「健康」に対する支払い意思額を検証する前向き観察研究を手掛けています。この研究を始めた問題意識は。岩谷 仮に、英国で実施している費用対効果評価制度をそのまま日本に入れるとなったら、問題点は何なのか、臨床家として考えた。そのひとつが、QALYの「閾値」の議論が未成熟であること。英国の費用対効果評価では2万~3万ポンドが(新薬などが費用効果的であるための)閾値だとされるが、実際はそうではなかったりする。閾値の問題はセンシティブで、英国の閾値も研究で出てきた数字ではなく、議論を重ねた相場観だ。 今回の研究は、同意をいただいた最大1800例が対象で、50%の回答が集まれば成立するデザイン。今後2~3年でしっかりとした結果を出したい。データが出れば、乳がん以外のが...
費用対効果評価に患者目線を――JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)で日本人の乳がん患者が考える「生命」と「健康」に対する支払い意思額を検証する前向き観察研究を手掛けています。この研究を始めた問題意識は。岩谷 仮に、英国で実施している費用対効果評価制度をそのまま日本に入れるとなったら、問題点は何なのか、臨床家として考えた。そのひとつが、QALYの「閾値」の議論が未成熟であること。英国の費用対効果評価では2万~3万ポンドが(新薬などが費用効果的であるための)閾値だとされるが、実際はそうではなかったりする。閾値の問題はセンシティブで、英国の閾値も研究で出てきた数字ではなく、議論を重ねた相場観だ。 今回の研究は、同意をいただいた最大1800例が対象で、50%の回答が集まれば成立するデザイン。今後2~3年でしっかりとした結果を出したい。データが出れば、乳がん以外のがんや
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