山口大学大学院医学系研究科／AIシステム医学・医療研究教育センター長　浅井義之

OBSERVER

2019年10月15日号

AIの結果を盲目的に信じるのは好ましくない――山口大学医学部にAIシステム医学・医療研究教育センターを設立した狙いは。浅井　センターはAIや機械学習、システムバイオロジーを研究している。医学部にあるのが特徴だ。私は情報工学出身なので、この分野で発展してきた技術を医療や医学に持ち込みたいと考えている。センター設立から1年超。現在は「骨髄移植後の拒絶反応のリスク予測」や「網膜像診断支援の開発」といった15のプロジェクトを大学内外で進めている。とくに疾患の判別や治療効果の予測といったところで私たちは貢献できるだろう。――システムバイオロジーは耳慣れない言葉です。浅井　細胞内の分子相互作用をコンピューターのなかでシミュレーションさせること。AISMECの顧問であるソニーコンピューターサイエンス研究所の北野宏明社長が20年ほど前に提唱した。それ以前の医学や生理学は、疾... AIの結果を盲目的に信じるのは好ましくない――山口大学医学部にAIシステム医学・医療研究教育センターを設立した狙いは。浅井　センターはAIや機械学習、システムバイオロジーを研究している。医学部にあるのが特徴だ。私は情報工学出身なので、この分野で発展してきた技術を医療や医学に持ち込みたいと考えている。センター設立から1年超。現在は「骨髄移植後の拒絶反応のリスク予測」や「網膜像診断支援の開発」といった15のプロジェクトを大学内外で進めている。とくに疾患の判別や治療効果の予測といったところで私たちは貢献できるだろう。――システムバイオロジーは耳慣れない言葉です。浅井　細胞内の分子相互作用をコンピューターのなかでシミュレーションさせること。AISMECの顧問であるソニーコンピューターサイエンス研究所の北野宏明社長が20年ほど前に提唱した。それ以前の医学や生理学は、疾患

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