医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

データによって明らかとなった製薬マネーによる処方のバイアス

第4回

医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦

2019年10月15日号

 最近、長年暗黙知として医学界で認知されてきた製薬マネーによる処方への影響が、最新のデータを用いて次々と論文発表されている。この背景としては、米国においてOpen Payments Programが開始されたことが大きい。 今年7月にも「米国医学誌内科版」に2つの論文が公開された。ひとつは、炎症性腸疾患に対する生物学的製剤の処方に関して、製薬マネーが与える影響を調査したものだ。Open Payments Databaseとメディケア・パートDのデータを用いて、米国の約1万4000人の消化器内科医を対象に調査を行った。その結果、アッヴィとUCBから謝金や飲食の提供があった医師で、それぞれ「アダリムマブ」と「セルトリズマブ」の処方が増加したことが明らかにされた。 もうひとつの論文では、「ガバペンチン」と「プレガバリン」に関する製薬マネーの影響が評価された。やはり、これら薬剤を販売する製薬企業か...  最近、長年暗黙知として医学界で認知されてきた製薬マネーによる処方への影響が、最新のデータを用いて次々と論文発表されている。この背景としては、米国においてOpen Payments Programが開始されたことが大きい。 今年7月にも「米国医学誌内科版」に2つの論文が公開された。ひとつは、炎症性腸疾患に対する生物学的製剤の処方に関して、製薬マネーが与える影響を調査したものだ。Open Payments Databaseとメディケア・パートDのデータを用いて、米国の約1万4000人の消化器内科医を対象に調査を行った。その結果、アッヴィとUCBから謝金や飲食の提供があった医師で、それぞれ「アダリムマブ」と「セルトリズマブ」の処方が増加したことが明らかにされた。 もうひとつの論文では、「ガバペンチン」と「プレガバリン」に関する製薬マネーの影響が評価された。やはり、これら薬剤を販売する製薬企業から謝

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