医薬経済オンライン

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Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

患者アドボカシーの広がり①

第74回 グローバルの動向から

ジョージメイソン大学大学院(バージニア州) パブリックヘルス専攻  堀 玲子

2019年10月15日号

 先進的な医療提供が行われる一方で、各国のヘルスケアシステムが複雑になり、医療を受ける側にも多くの多面的な課題が突きつけられている。 そのうちのひとつ、患者アドボカシー(権利擁護)の原点は、「患者1人では何もできないかもしれない。でも皆の力を集めれば医療施策に変革を起こせる」というムーブメントだ。 筆者が初めて患者アドボカシーという概念に出会ったのは、希少疾患に関する海外でのあるカンファレンスだった。主に製薬企業や研究機関が中心になっている会議の場に、GIST患者のグループが「We are GISTERS!(ジスターズ)」というメッセージを掲げたブースを構えていた。患者という大変な苦労があるにもかかわらず笑顔いっぱいだったのが衝撃的だった。海外では患者グループが難しい臨床カンファレンスの場にも積極的に参加し、またよく勉強しているのを目にする。このような姿勢...  先進的な医療提供が行われる一方で、各国のヘルスケアシステムが複雑になり、医療を受ける側にも多くの多面的な課題が突きつけられている。 そのうちのひとつ、患者アドボカシー(権利擁護)の原点は、「患者1人では何もできないかもしれない。でも皆の力を集めれば医療施策に変革を起こせる」というムーブメントだ。 筆者が初めて患者アドボカシーという概念に出会ったのは、希少疾患に関する海外でのあるカンファレンスだった。主に製薬企業や研究機関が中心になっている会議の場に、GIST患者のグループが「We are GISTERS!(ジスターズ)」というメッセージを掲げたブースを構えていた。患者という大変な苦労があるにもかかわらず笑顔いっぱいだったのが衝撃的だった。海外では患者グループが難しい臨床カンファレンスの場にも積極的に参加し、またよく勉強しているのを目にする。このような姿勢は

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