時流遡航
哲学の脇道遊行記ー実践的思考法の裏を眺め楽しむ②
第208回 ─府中市美術館での絵画展に見る一輪の「教養の花」─
本田成親
2019年10月15日号
「教養の樹」という巨木の主幹から分かれて伸びる巨枝のひとつに「芸術の枝」があることは、改めて述べるまでもないでしょう。そして、その「芸術の巨枝」のさらなる分枝のひとつに「絵画の枝」なるものが存在しています。
そんな「絵画の枝」の枝先を気の向くままに眺めたりしていると、ときどき見事な「絵画の花」が咲き誇り「教養の樹」全体に棲む多種多様な「人虫」らの心を魅了することがあるものです。しかも、その「絵画の花」には、それまでそんな花などに一切関心を示さなかった人虫の魂をもたちまち虜にしてしまうような麗花までが含まれていたりするのです。その種の麗花の特徴とは、見かけ上の美しさや香りのよさばかりでなく、その花弁の1枚1枚、雄蕊雌蕊の一筋一筋、さらには花粉の1粒1粒にまで、「教養の樹」全体を包み込む壮大な時空の変遷や人虫たちの生活史の痕跡が深...
「教養の樹」という巨木の主幹から分かれて伸びる巨枝のひとつに「芸術の枝」があることは、改めて述べるまでもないでしょう。そして、その「芸術の巨枝」のさらなる分枝のひとつに「絵画の枝」なるものが存在しています。
そんな「絵画の枝」の枝先を気の向くままに眺めたりしていると、ときどき見事な「絵画の花」が咲き誇り「教養の樹」全体に棲む多種多様な「人虫」らの心を魅了することがあるものです。しかも、その「絵画の花」には、それまでそんな花などに一切関心を示さなかった人虫の魂をもたちまち虜にしてしまうような麗花までが含まれていたりするのです。その種の麗花の特徴とは、見かけ上の美しさや香りのよさばかりでなく、その花弁の1枚1枚、雄蕊雌蕊の一筋一筋、さらには花粉の1粒1粒にまで、「教養の樹」全体を包み込む壮大な時空の変遷や人虫たちの生活史の痕跡が深く
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