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平時医療体制の破綻に備える~電光石火こそ最良の有事医療~

α線β線についての誤解

第86回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2019年10月15日号

 第84回(9月15日号)で、放射性物質による汚染として一般的に注意すべきはα線、β線、γ線であり、気管からα線源が肺へと侵入した場合、体内からは除去することができないことについて解説した。また、α線、β線はエネルギーが強い一方で、到達距離がβ線でも5㎜以下と短く、体外からは測定できないため、放射性物質は体内に絶対に入れてはならず、爆破事件が起きた場合、まず口と鼻を塞い、目もゴーグルなどで保護し、体内汚染を防ぐのが「令和時代必須のテロ対処」であることを強調した。  今回はα線β線の透過力の弱さが理由で、生じている誤解について説明する。  放射線は物質を透過する際、その物質を構成している原子が持つ電子を弾き飛ばす電離作用をもたらす。とくに人体に対しては、細胞の中核となるDNAの結合を破壊するDNAクラスター損傷が生じるため、新たな細胞を再...  第84回(9月15日号)で、放射性物質による汚染として一般的に注意すべきはα線、β線、γ線であり、気管からα線源が肺へと侵入した場合、体内からは除去することができないことについて解説した。また、α線、β線はエネルギーが強い一方で、到達距離がβ線でも5㎜以下と短く、体外からは測定できないため、放射性物質は体内に絶対に入れてはならず、爆破事件が起きた場合、まず口と鼻を塞い、目もゴーグルなどで保護し、体内汚染を防ぐのが「令和時代必須のテロ対処」であることを強調した。  今回はα線β線の透過力の弱さが理由で、生じている誤解について説明する。  放射線は物質を透過する際、その物質を構成している原子が持つ電子を弾き飛ばす電離作用をもたらす。とくに人体に対しては、細胞の中核となるDNAの結合を破壊するDNAクラスター損傷が生じるため、新たな細胞を再生

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