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OBSERVER

筑波大学医学医療系講師 浜野淳

2019年11月1日号

「生命予後」をどう伝えるのか――緩和ケアを受けるがん患者を対象に開発した「生命予後の推定方法」は、どの点が画期的なのでしょうか。浜野 既存法と比べ、高精度である点だ。既存法で当たる確率は7割5分かよくて8割だが、我われ研究班が開発した方法では大体9割ぐらいの高確率で当たる。手間もそれほどかからない。今回、統計の専門家の協力を得て、血液検査のデータ(アルブミン、総ビリルビン、リンパ球数など)や心拍数、呼吸回数といった客観的な数値を用いるだけで、生命予後を推測できる方程式をつくってもらった。 既存の「PiPS–Bモデル」などでは、評価項目が非常に多い。研究では苦にならないが、忙しい臨床現場で使うとなるとかなり手間で、普及しにくい。それで医師の「直感」に頼るケースが多くなる。ただ、医師は生命予後を楽観的に予測してしまう傾向がある。また、がん種に対する治療... 「生命予後」をどう伝えるのか――緩和ケアを受けるがん患者を対象に開発した「生命予後の推定方法」は、どの点が画期的なのでしょうか。浜野 既存法と比べ、高精度である点だ。既存法で当たる確率は7割5分かよくて8割だが、我われ研究班が開発した方法では大体9割ぐらいの高確率で当たる。手間もそれほどかからない。今回、統計の専門家の協力を得て、血液検査のデータ(アルブミン、総ビリルビン、リンパ球数など)や心拍数、呼吸回数といった客観的な数値を用いるだけで、生命予後を推測できる方程式をつくってもらった。 既存の「PiPS–Bモデル」などでは、評価項目が非常に多い。研究では苦にならないが、忙しい臨床現場で使うとなるとかなり手間で、普及しにくい。それで医師の「直感」に頼るケースが多くなる。ただ、医師は生命予後を楽観的に予測してしまう傾向がある。また、がん種に対する治療ごと

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