医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

米ICER組織が「根拠薄」とした値上がり7剤

第52回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2019年11月1日号

 公的な評価機関が存在しない米国で、「影のHTA(医療技術評価)機関」としての役割を増しているICER組織。ふだん注目されるのは、CAR–T(「キムリア」、「イエスカルタ」)や「ゾルゲンスマ」など、個別の疾患領域・薬剤に対して評価を加え、さらに適正価格(ベンチマーク価格)を算出する分析だが、領域横断的かつ少々方向性の異なる分析も実施している。  19年10月にICER組織は、「Unsupported Price Increase(エビデンスなき価格上昇)Report」を公表した。レポートでは、米国における値上がり幅が大きかった薬剤について、価格上昇を裏付け得るようなエビデンスがどの程度整備されているかを独立したシステマティック・レビューによって検討している。今回は、この内容を紹介したい。  薬剤の価格上昇が保険予算を圧迫することは米国でも問題視されている。米国の研究...  公的な評価機関が存在しない米国で、「影のHTA(医療技術評価)機関」としての役割を増しているICER組織。ふだん注目されるのは、CAR–T(「キムリア」、「イエスカルタ」)や「ゾルゲンスマ」など、個別の疾患領域・薬剤に対して評価を加え、さらに適正価格(ベンチマーク価格)を算出する分析だが、領域横断的かつ少々方向性の異なる分析も実施している。  19年10月にICER組織は、「Unsupported Price Increase(エビデンスなき価格上昇)Report」を公表した。レポートでは、米国における値上がり幅が大きかった薬剤について、価格上昇を裏付け得るようなエビデンスがどの程度整備されているかを独立したシステマティック・レビューによって検討している。今回は、この内容を紹介したい。  薬剤の価格上昇が保険予算を圧迫することは米国でも問題視されている。米国の研究機関

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