時流遡航
哲学の脇道遊行記ー実践的思考法の裏を眺め楽しむ
第3回 境界線を設けるという行為の意義を再考察してみる
本田成親
2019年11月1日号
無限に広がる平面があるとして、そこにひとつの円を描いてみるとしましょう。そしてその円の内側に自分を含めた多くの仲間たちが住んでいると考えてみることにしましょう。その場合、その円弧は、自らの属する集落や民族、さらには自国の境界線などを意味することになります。その外側に無限に広がる世界があるとすれば、人間をはじめとする諸々の生命体が自らの存在を意義あるものとし、その生存基盤が確固たるものだと認識するためには、大なり小なりそんな円弧を描き出すことが不可欠なのかもしれません。
もしもそんな円を描くことなしにその無限平面上で生きることを余儀なくされるとするならば、自身の存在がいったいいかなる意味を持つのかさえわからなくなってしまいます。そして、常に未知の不安や恐怖に駆り立てられながら、果てしなく広がる世界のなかを命尽きるまで彷徨い続...
無限に広がる平面があるとして、そこにひとつの円を描いてみるとしましょう。そしてその円の内側に自分を含めた多くの仲間たちが住んでいると考えてみることにしましょう。その場合、その円弧は、自らの属する集落や民族、さらには自国の境界線などを意味することになります。その外側に無限に広がる世界があるとすれば、人間をはじめとする諸々の生命体が自らの存在を意義あるものとし、その生存基盤が確固たるものだと認識するためには、大なり小なりそんな円弧を描き出すことが不可欠なのかもしれません。
もしもそんな円を描くことなしにその無限平面上で生きることを余儀なくされるとするならば、自身の存在がいったいいかなる意味を持つのかさえわからなくなってしまいます。そして、常に未知の不安や恐怖に駆り立てられながら、果てしなく広がる世界のなかを命尽きるまで彷徨い続け
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