医薬経済オンライン

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「安倍銘柄」と化したテルモへの懸念

日を追うごとに手が付けられなくなるハートシート

2019年11月15日号

 稚拙極まりなかった民主党による政権運営へのアンチテーゼを身に纏い、「アベノミクス」を旗印に、12年12月の衆院選で安倍晋三総裁率いる自民党が政権を奪還してから間もなく、丸7年を迎える。最近は長期化した権力が見せる常として、主要閣僚のスキャンダルや政策のゴリ押しといった粗が隠せなくなっている。分水嶺を越えた感が強い。  国民が最も期待した経済成長に関しては、残念ながら、GDPの6割を占める消費がほとんど上向いていない。そもそもアベノミクスとは、①大胆な金融緩和、②機動的な公共投資、③構造改革︱︱の3本の矢で経済再建を図るという構図だった。だが現実は、いずれの矢も完遂できずに今に至っている。当然の帰結だろう。  改めて振り返ると、金融緩和について“異次元の”と豪語しえたのは最初の9ヵ月程度。円安誘導によって人為的に物価を上げれば景気...  稚拙極まりなかった民主党による政権運営へのアンチテーゼを身に纏い、「アベノミクス」を旗印に、12年12月の衆院選で安倍晋三総裁率いる自民党が政権を奪還してから間もなく、丸7年を迎える。最近は長期化した権力が見せる常として、主要閣僚のスキャンダルや政策のゴリ押しといった粗が隠せなくなっている。分水嶺を越えた感が強い。  国民が最も期待した経済成長に関しては、残念ながら、GDPの6割を占める消費がほとんど上向いていない。そもそもアベノミクスとは、①大胆な金融緩和、②機動的な公共投資、③構造改革︱︱の3本の矢で経済再建を図るという構図だった。だが現実は、いずれの矢も完遂できずに今に至っている。当然の帰結だろう。  改めて振り返ると、金融緩和について“異次元の”と豪語しえたのは最初の9ヵ月程度。円安誘導によって人為的に物価を上げれば景気はよ

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