審査建言
動き出した薬剤師業務の質的見直し
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩
2019年11月15日号
医薬分業の進展や病院薬剤師業務の質的な充実、薬学教育6年制の定着などにより、薬剤師を取り巻く環境は近年大きく変化してきている。薬剤師業務、とくに調剤関連の業務で定型化したものについては、薬剤師以外の者が薬剤師の管理の下で行うことにより、薬剤師業務の質的見直しを図るべきではないかと指摘されてきた。
薬剤師の長年の目標であった医薬分業推進については、薬価差益の大幅縮小という強力な追い風を受けてあっという間に進展し、今や70%を超えるまでに急成長した。しかし、その内容を見ると、開局薬剤師が期待していたような、地域の個人薬局が受け皿になるのではなく、医薬分業の推進をビジネスチャンスと捉えた調剤チェーンの門前薬局が病院前に大挙して群がるという現象を起こしている。
調剤薬局は病院などの医療機関と薬剤師の就職先を二分し、今のと...
医薬分業の進展や病院薬剤師業務の質的な充実、薬学教育6年制の定着などにより、薬剤師を取り巻く環境は近年大きく変化してきている。薬剤師業務、とくに調剤関連の業務で定型化したものについては、薬剤師以外の者が薬剤師の管理の下で行うことにより、薬剤師業務の質的見直しを図るべきではないかと指摘されてきた。
薬剤師の長年の目標であった医薬分業推進については、薬価差益の大幅縮小という強力な追い風を受けてあっという間に進展し、今や70%を超えるまでに急成長した。しかし、その内容を見ると、開局薬剤師が期待していたような、地域の個人薬局が受け皿になるのではなく、医薬分業の推進をビジネスチャンスと捉えた調剤チェーンの門前薬局が病院前に大挙して群がるという現象を起こしている。
調剤薬局は病院などの医療機関と薬剤師の就職先を二分し、今のとこ
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