世界の医薬品業界
2019年から新時代へ入った製薬業界
第152回
研ファーマ・ブレーン 永江研太郎
2019年11月15日号
11月上旬までに欧米日の多くの製薬企業が9月までの直近の決算を発表した。欧米大手の製品売上げを四半期ごとに確認して思うのは、「低分子の大型慢性疾患薬の時代は糖尿病薬など一部を除いて18年で終わった」ということだ。
スタチンやARBのブランド品が欧米先進国ではすでに終わった市場であることはこれまでにも取り上げたので、ここでは喘息の配合吸入剤であるグラクソ・スミスクラインの「アドエア」の例を見てみよう。GSKは医薬品の売上げを発表する際、18年決算まで主力の呼吸器用薬はエスタブリッシュ製品に入れていなかった。アドエアは売上げが減少しているものの抗HIV薬以外でトップ製品だったためだ。それが19年1〜3月(1Q)からアドエアや「ベネトリン」「サルタノール」などパテントの切れた呼吸器用薬はエスタブリッシュ製品に含めるようになった。
これは...
11月上旬までに欧米日の多くの製薬企業が9月までの直近の決算を発表した。欧米大手の製品売上げを四半期ごとに確認して思うのは、「低分子の大型慢性疾患薬の時代は糖尿病薬など一部を除いて18年で終わった」ということだ。
スタチンやARBのブランド品が欧米先進国ではすでに終わった市場であることはこれまでにも取り上げたので、ここでは喘息の配合吸入剤であるグラクソ・スミスクラインの「アドエア」の例を見てみよう。GSKは医薬品の売上げを発表する際、18年決算まで主力の呼吸器用薬はエスタブリッシュ製品に入れていなかった。アドエアは売上げが減少しているものの抗HIV薬以外でトップ製品だったためだ。それが19年1〜3月(1Q)からアドエアや「ベネトリン」「サルタノール」などパテントの切れた呼吸器用薬はエスタブリッシュ製品に含めるようになった。
これは米国
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