医薬経済オンライン

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【短期連載】医薬業界と汚職④

ある公立医大の医師派遣をめぐる贈収賄(下)

元特捜部主任検事 前田恒彦

2019年12月1日号

 特捜部が本腰を入れる汚職事件では、首吊りや飛び降りによる自殺者が出る。むしろ「自殺者が出る事件は本物だ」と言われるほどだ。自責の念や周囲からの重圧、事態の拡散防止、社会的地位を喪失することへの恐怖など、「死」という究極の選択に至るにはさまざまな動機がある。  捜査中の事件で自殺者が出た場合、特捜部では粛々と捜査を進めるのが基本だ。それまで固かった関係者の口が緩み、事態が大きく進展することもあるからだ。  もちろん、残された関係者には、「死人に口なし」を好都合として自殺者に責任を被せ、逃れようとする者も出てくる。自殺したのがキーパーソンであればあるほど、全容解明も困難となる。  一方で、「故人に申し訳ない」「明日はわが身」「組織は守ってくれない」「ひとりで抱え込んでいても虚しいだけだ」といったさまざまな思...  特捜部が本腰を入れる汚職事件では、首吊りや飛び降りによる自殺者が出る。むしろ「自殺者が出る事件は本物だ」と言われるほどだ。自責の念や周囲からの重圧、事態の拡散防止、社会的地位を喪失することへの恐怖など、「死」という究極の選択に至るにはさまざまな動機がある。  捜査中の事件で自殺者が出た場合、特捜部では粛々と捜査を進めるのが基本だ。それまで固かった関係者の口が緩み、事態が大きく進展することもあるからだ。  もちろん、残された関係者には、「死人に口なし」を好都合として自殺者に責任を被せ、逃れようとする者も出てくる。自殺したのがキーパーソンであればあるほど、全容解明も困難となる。  一方で、「故人に申し訳ない」「明日はわが身」「組織は守ってくれない」「ひとりで抱え込んでいても虚しいだけだ」といったさまざまな思い

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