医薬経済オンライン

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看護学者から見た個別化医療とグローバリズム

医療と介護の「矛盾した制度」

第29回 大義を掲げる人は現場をわからない

大阪大学大学院医学系研究科/公益財団法人浅香山病院 山川みやえ

2019年12月1日号

「君は本当に怒りのボルテージが瞬間的に上がり、すぐに冷める。そして何食わぬ顔でビールを飲んでいる。瞬間湯沸かし器みたいだ」  瞬間湯沸かし器――。ある教授が私に付けたあだ名である。  その頃、私は生活習慣病に関する戦略研究という研究班で、計画立案を任されていた。当時、私はとくに生活習慣病の研究をしていたわけではなかったが、教授からすると、私は小回りが利き、使い勝手がよかったのではないか、と思っている。確かに、私は仕事を何でも引き受けていた。生活習慣病分野は自分の専門とは少し違ったが、その研究班の仕事に対するエフォートが一時期100%ではないかと思うほどのめり込んでいた。  その研究は、政策提言に直結するものであったため、研究費を提供するほうが相当意見を出してきた。「RCTでないとダメだ」とか、要するに口出しである... 「君は本当に怒りのボルテージが瞬間的に上がり、すぐに冷める。そして何食わぬ顔でビールを飲んでいる。瞬間湯沸かし器みたいだ」  瞬間湯沸かし器――。ある教授が私に付けたあだ名である。  その頃、私は生活習慣病に関する戦略研究という研究班で、計画立案を任されていた。当時、私はとくに生活習慣病の研究をしていたわけではなかったが、教授からすると、私は小回りが利き、使い勝手がよかったのではないか、と思っている。確かに、私は仕事を何でも引き受けていた。生活習慣病分野は自分の専門とは少し違ったが、その研究班の仕事に対するエフォートが一時期100%ではないかと思うほどのめり込んでいた。  その研究は、政策提言に直結するものであったため、研究費を提供するほうが相当意見を出してきた。「RCTでないとダメだ」とか、要するに口出しである。

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