医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

医政羅針盤

医療経済実態調査と診療報酬改定

山形大学大学院医学系研究科 医療政策学講座教授 村上正泰

2019年12月1日号

 11月13日の中央社会保険医療協議会総会で、医療経済実態調査の結果が報告された。医療経済実態調査は、診療報酬改定の基礎資料とすることを目的として、病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局の医業経営などの実態を調査するものである。ただし、大幅な黒字にでもなれば、流石にプラス改定の可能性が大きく低下するといったことはあるにしても、医療経済実態調査がどこまで診療報酬改定で活用されているのか、診療報酬改定の行方に影響を与えているのかと言えば、はっきりしない。  診療報酬改定率の決定プロセスを振り返ると、議論の過程で、医療経済実態調査の結果などに言及しながら、「病院の経営状況が厳しいので、診療報酬の引き上げが不可欠だ」といった主張がなされることはあるが、結局のところ、改定率は政治的判断で決められるからだ。最近では、本体はわずかにプラス改定で...  11月13日の中央社会保険医療協議会総会で、医療経済実態調査の結果が報告された。医療経済実態調査は、診療報酬改定の基礎資料とすることを目的として、病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局の医業経営などの実態を調査するものである。ただし、大幅な黒字にでもなれば、流石にプラス改定の可能性が大きく低下するといったことはあるにしても、医療経済実態調査がどこまで診療報酬改定で活用されているのか、診療報酬改定の行方に影響を与えているのかと言えば、はっきりしない。  診療報酬改定率の決定プロセスを振り返ると、議論の過程で、医療経済実態調査の結果などに言及しながら、「病院の経営状況が厳しいので、診療報酬の引き上げが不可欠だ」といった主張がなされることはあるが、結局のところ、改定率は政治的判断で決められるからだ。最近では、本体はわずかにプラス改定で、

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence