時流遡航
哲学の脇道遊行記実践的思考法の裏を眺め楽しむ⑤
第5回 離島での闇夜の生活体験が残してくれたものとは
本田成親
2019年12月1日号
南国の離島にあった当事の小村などでは、夜間であっても子どもらが外を出歩くことが許されていました。現代の状況とは異なり、大雨や台風の到来に備えるのでもない限りは、雨戸を閉め、錠をおろしてしっかり戸締りをすることなどまずありませんでした。通常は、夜床に着く際であっても、どの家も障子や襖をそっと閉める程度のものでした。村落の人々同士は皆顔見知りでしたし、本土との間には1日1便のみ運航の小型定期連絡船しかありませんでしたから、島外からの来訪者の出入りも極めて限られたものでした。
それゆえ盗難事件や傷害事件の類は皆無でしたから、とても不便な離島の貧村ではありましたけれども、夜間でも治安そのものは極めて良好だったのです。そんな集落の状況のおかげで、文字通りの自己責任のもとでなら、子どもでも集落周辺に広がる夜の世界を気の向くままに探索す...
南国の離島にあった当事の小村などでは、夜間であっても子どもらが外を出歩くことが許されていました。現代の状況とは異なり、大雨や台風の到来に備えるのでもない限りは、雨戸を閉め、錠をおろしてしっかり戸締りをすることなどまずありませんでした。通常は、夜床に着く際であっても、どの家も障子や襖をそっと閉める程度のものでした。村落の人々同士は皆顔見知りでしたし、本土との間には1日1便のみ運航の小型定期連絡船しかありませんでしたから、島外からの来訪者の出入りも極めて限られたものでした。
それゆえ盗難事件や傷害事件の類は皆無でしたから、とても不便な離島の貧村ではありましたけれども、夜間でも治安そのものは極めて良好だったのです。そんな集落の状況のおかげで、文字通りの自己責任のもとでなら、子どもでも集落周辺に広がる夜の世界を気の向くままに探索する
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