眺望 医薬街道
明細書発行の「現状」は不十分
近藤正觀
2019年12月1日号
医療に関する情報を医療機関のみが保有していた時代は過去のものとなった。患者は受診・診療内容を把握したいという意向を強くし、その結果、厚生労働省は「明細書の発行」に踏み切った。 医療事故が発生しても、従前は、患者は領収証しか貰えず、カルテも裁判所に保全差し押さえを申請しないと入手できない環境だった。明細書の発行は、中央社会保険医療協議会の患者代表委員が主張し続けて実現したものだ。診療側は裁判証拠として使用されることを恐れ、しぶとく抵抗した時期もあったが、結局、16年4月に実施されることになった。 私はこのときから単なる明細書の発行には疑問を持っていた。その後19年11月20日の中医協総会で「明細書無料発行について」という資料が出た。資料によれば、医療機関の88・2%、歯科の88・4%が無料発行しているという。全国の医科・歯科診療所約17万軒中、正当な理由...
医療に関する情報を医療機関のみが保有していた時代は過去のものとなった。患者は受診・診療内容を把握したいという意向を強くし、その結果、厚生労働省は「明細書の発行」に踏み切った。 医療事故が発生しても、従前は、患者は領収証しか貰えず、カルテも裁判所に保全差し押さえを申請しないと入手できない環境だった。明細書の発行は、中央社会保険医療協議会の患者代表委員が主張し続けて実現したものだ。診療側は裁判証拠として使用されることを恐れ、しぶとく抵抗した時期もあったが、結局、16年4月に実施されることになった。 私はこのときから単なる明細書の発行には疑問を持っていた。その後19年11月20日の中医協総会で「明細書無料発行について」という資料が出た。資料によれば、医療機関の88・2%、歯科の88・4%が無料発行しているという。全国の医科・歯科診療所約17万軒中、正当な理由が
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