山中CiRA所長が国を見限るとき
安易に手のひら返す国策の「愚の骨頂」
2019年12月15日号
「国策」という言葉にはいつの時代も、蜜の甘味と毒の苦みが同居するようである。それを改めて感じたのが先月11日、東京・内幸町の日本記者クラブで行われた京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長による怒りの記者会見だった。国が13年度から10年間にわたる支援を「約束」してきた人工多能性幹細胞(iPS細胞)の備蓄事業に対する予算措置。これを20年度で打ち切りたいとの意向を内々に伝えてきたことに対し、山中所長は、「(予算を)突然ゼロにするというのは理不尽だ」とメディアを通じて吠えてみせた。
iPS細胞の備蓄事業は、免疫拒絶反応が少ないとされる他家再生医療向けのiPS細胞を遺伝子のタイプ別に予め製造し、ストックしておくプロジェクトで、これまで毎年10数億円ずつ、累計で90億円超に上る国の支援を受けてCiRA、すなわち京大が直接事業として推進してきた。
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「国策」という言葉にはいつの時代も、蜜の甘味と毒の苦みが同居するようである。それを改めて感じたのが先月11日、東京・内幸町の日本記者クラブで行われた京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長による怒りの記者会見だった。国が13年度から10年間にわたる支援を「約束」してきた人工多能性幹細胞(iPS細胞)の備蓄事業に対する予算措置。これを20年度で打ち切りたいとの意向を内々に伝えてきたことに対し、山中所長は、「(予算を)突然ゼロにするというのは理不尽だ」とメディアを通じて吠えてみせた。
iPS細胞の備蓄事業は、免疫拒絶反応が少ないとされる他家再生医療向けのiPS細胞を遺伝子のタイプ別に予め製造し、ストックしておくプロジェクトで、これまで毎年10数億円ずつ、累計で90億円超に上る国の支援を受けてCiRA、すなわち京大が直接事業として推進してきた。
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