時流遡航
哲学の脇道遊行記 実践的思考法の裏を眺め楽しむ⑥
第6回 ─幼少期の離島生活が心奥に育み残した適応力の数々─
本田成親
2019年12月15日号
離島生活において体験した深い闇の世界というものがいつしか自らの原風景のひとつとなり、そこで培われた感性や思考が暗闇の存在に少しも恐怖を抱くことなどない今の自分を形成してくれていると述べてきました。しかし、ごく自然に闇の世界を体験することによってもたらされた利点はそれだけではありませんでした。暗闇に伴う諸々の危険や不慮の事態に備えながら子どもなりに慎重な行動を重ねるうちに、どんな厳しい環境下に置かれても、自らを冷静に律しながら沈着に行動する習慣を身につけるようになりました。
また、星闇のもとで天空に煌めく無数の星々をじっと仰ぎ見ながら、時を忘れてひとり空想に耽るうちに、それがいつどんな場所であろうとも、必要ならば長時間にわたって深い思考に没頭することができるようにもなりました。ただ、一風変わったそれらの習慣や思考法が、先々困...
離島生活において体験した深い闇の世界というものがいつしか自らの原風景のひとつとなり、そこで培われた感性や思考が暗闇の存在に少しも恐怖を抱くことなどない今の自分を形成してくれていると述べてきました。しかし、ごく自然に闇の世界を体験することによってもたらされた利点はそれだけではありませんでした。暗闇に伴う諸々の危険や不慮の事態に備えながら子どもなりに慎重な行動を重ねるうちに、どんな厳しい環境下に置かれても、自らを冷静に律しながら沈着に行動する習慣を身につけるようになりました。
また、星闇のもとで天空に煌めく無数の星々をじっと仰ぎ見ながら、時を忘れてひとり空想に耽るうちに、それがいつどんな場所であろうとも、必要ならば長時間にわたって深い思考に没頭することができるようにもなりました。ただ、一風変わったそれらの習慣や思考法が、先々困難
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