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審査建言

スイッチOTC薬化推進に出口はあるのか

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2019年12月15日号

 医療用医薬品のスイッチ化の動きは、社会のセルフメディケーション推進の流れを受けて国際的にも非常に高まっている。このような国際的な動きは、医師の処方にのみ委ねられていた医薬品を、可能なものについては患者や消費者が自らの判断と責任のもとで手にしようとするものである。しかしながら、日本では、医療関係者の理解がなかなか得られずに難航している。  厚生労働省は増え続ける医療費削減のためにも、医療用医薬品のスイッチOTC薬化を進めようとしている。だが、医療関係団体は厚労省が隠している意図を見抜くかのように、売れ筋商品、とくに厚労省が医療費削減につなげたいと願望している慢性疾患に対する医療用医薬品のスイッチに対してはほぼ全面的に拒否している。  筆者は過去、医療関係者の反対のなかで、大型の売れ筋商品がスイッチOTC薬化できた稀な例に...  医療用医薬品のスイッチ化の動きは、社会のセルフメディケーション推進の流れを受けて国際的にも非常に高まっている。このような国際的な動きは、医師の処方にのみ委ねられていた医薬品を、可能なものについては患者や消費者が自らの判断と責任のもとで手にしようとするものである。しかしながら、日本では、医療関係者の理解がなかなか得られずに難航している。  厚生労働省は増え続ける医療費削減のためにも、医療用医薬品のスイッチOTC薬化を進めようとしている。だが、医療関係団体は厚労省が隠している意図を見抜くかのように、売れ筋商品、とくに厚労省が医療費削減につなげたいと願望している慢性疾患に対する医療用医薬品のスイッチに対してはほぼ全面的に拒否している。  筆者は過去、医療関係者の反対のなかで、大型の売れ筋商品がスイッチOTC薬化できた稀な例に関わ

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