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間違いだらけのHTA

英NICEの仮決定・最終決定とは

第54回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット/東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2020年1月1日号

 英国NICEは19年10月、PD–L1陽性かつ未治療のトリプルネガティブ乳がん患者に対する、「アテゾリズマブ」(製品名=テセントリク)と「nab-パクリタキセル」(アブラキサン)併用療法を非推奨とする仮決定を下した。値引き適用前のICER(増分費用効果比)は8万5306ポンド/QALYで、終末期特例を適用しても依然として許容範囲を超えている。さらに不確実性が大きいゆえ、長期のデータ収集を行いつつ臨時予算で給付する抗がん剤基金(CDF)の対象にもなり得ないとの判断だ。  仮決定内容については、本誌19年12月1日号の谷本哲也氏の連載で臨床的観点から詳細な解説と、日本と英国との判断の相違に関する重要な問題提起がすでになされているため、ここでは省略したい。  これまでも「オプジーボ」やCAR–T(「キムリア」「イエスカルタ」)など、話題性の高い薬剤について、仮決...  英国NICEは19年10月、PD–L1陽性かつ未治療のトリプルネガティブ乳がん患者に対する、「アテゾリズマブ」(製品名=テセントリク)と「nab-パクリタキセル」(アブラキサン)併用療法を非推奨とする仮決定を下した。値引き適用前のICER(増分費用効果比)は8万5306ポンド/QALYで、終末期特例を適用しても依然として許容範囲を超えている。さらに不確実性が大きいゆえ、長期のデータ収集を行いつつ臨時予算で給付する抗がん剤基金(CDF)の対象にもなり得ないとの判断だ。  仮決定内容については、本誌19年12月1日号の谷本哲也氏の連載で臨床的観点から詳細な解説と、日本と英国との判断の相違に関する重要な問題提起がすでになされているため、ここでは省略したい。  これまでも「オプジーボ」やCAR–T(「キムリア」「イエスカルタ」)など、話題性の高い薬剤について、仮決定

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