平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療~
車外救出の基本
第91回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2020年1月1日号
前回まで2回に渡り、自動車が海水に浸かると容易に炎上する危険と、淡水に車体が浸かった際の脱出法について取り上げてきた。今回は、炎上し始めた車両やドアが開かなくなった乗員を車外へと救出する基本について解説する。
図1にあるように、乗用車で主に出火する場所はエンジンルームか燃料タンクの上にあるトランクルームだ。内部で火災が発生しているボンネットやトランクを決して開けてはならない。火は酸素と温度と可燃物が揃うことで燃え続ける。密閉された空間での火災では酸素が不足し不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態になる。
この状態で窓やドアを開くなどにより、密閉空間に急速に外気が入り込むと、熱された一酸化炭素に酸素が結合する二酸化炭素への化学反応が急激に進み爆発(爆燃)を引き起こす“bac...
前回まで2回に渡り、自動車が海水に浸かると容易に炎上する危険と、淡水に車体が浸かった際の脱出法について取り上げてきた。今回は、炎上し始めた車両やドアが開かなくなった乗員を車外へと救出する基本について解説する。
図1にあるように、乗用車で主に出火する場所はエンジンルームか燃料タンクの上にあるトランクルームだ。内部で火災が発生しているボンネットやトランクを決して開けてはならない。火は酸素と温度と可燃物が揃うことで燃え続ける。密閉された空間での火災では酸素が不足し不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態になる。
この状態で窓やドアを開くなどにより、密閉空間に急速に外気が入り込むと、熱された一酸化炭素に酸素が結合する二酸化炭素への化学反応が急激に進み爆発(爆燃)を引き起こす“backdr
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