OBSERVER
認知症の専門の「のぞみメモリークリニック」 院長 木之下徹
2020年1月15日号
生きることを取り戻してほしい――認知症の記憶の仕組みとは。木之下 記憶するとは外の情報を記憶の引き出しに「入れる」。それを「持つ」。そして引き出しから「出す」という3つの過程がある。アルツハイマー型認知症の人は、その情報を引き出しに入れにくくなる。本人にとっては記憶に入れていないから、「忘れた」という体験はしていない。忘れてもいないのに「物忘れ」という言葉が浴びせられるから、不安を抱えて怯えて生きている。 65歳以上だと100人のうち30人が認知症になる。でも、自分が認知症かもしれないと思っても、ひとりで病院やクリニックには、なかなか行けない。このクリニックにはひとりで来る人が少なくないが、はたから見たらわからないことも多い。 夫の車いすを押した妻が診察室に入ってきたので、その車いすの夫のほうを診察しようとしたら、「いや、私のほうなんです」というこ...
生きることを取り戻してほしい――認知症の記憶の仕組みとは。木之下 記憶するとは外の情報を記憶の引き出しに「入れる」。それを「持つ」。そして引き出しから「出す」という3つの過程がある。アルツハイマー型認知症の人は、その情報を引き出しに入れにくくなる。本人にとっては記憶に入れていないから、「忘れた」という体験はしていない。忘れてもいないのに「物忘れ」という言葉が浴びせられるから、不安を抱えて怯えて生きている。 65歳以上だと100人のうち30人が認知症になる。でも、自分が認知症かもしれないと思っても、ひとりで病院やクリニックには、なかなか行けない。このクリニックにはひとりで来る人が少なくないが、はたから見たらわからないことも多い。 夫の車いすを押した妻が診察室に入ってきたので、その車いすの夫のほうを診察しようとしたら、「いや、私のほうなんです」ということ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録