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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

エビデンスない「DPP4」再評定し薬価を見直すべき

第102回

鳥集徹

2020年1月15日号

 糖尿病治療の定番と言える「DPP4阻害薬」が、こんなにも低評価であることに驚いた。 昨年末、『週刊文春』(20年1月2日・9日合併号)に「あぶない薬決定版15『疾患別』リスト」という記事を書いた。その取材で「効くというエビデンスがないのに、漫然と出されている薬は?」と質問したところ、EBMに詳しい医師が口々にDPP4阻害薬の名を挙げたのだ。 「DPP4は、糖尿病治療薬でもっとも怖い低血糖を起しにくい薬」 勉強不足で恥ずかしいのだが、筆者にはその程度の認識しかなかった。だが、調べてみると、13年の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)に報告された2つの大規模ランダム化比較試験で、心血管イベントを抑制する効果はプラセボと同等という結果が出ていた。また、心不全による入院や重度の低血糖が多く、総死亡が高い傾向も示されていた。 18年の『米国医師会誌...  糖尿病治療の定番と言える「DPP4阻害薬」が、こんなにも低評価であることに驚いた。 昨年末、『週刊文春』(20年1月2日・9日合併号)に「あぶない薬決定版15『疾患別』リスト」という記事を書いた。その取材で「効くというエビデンスがないのに、漫然と出されている薬は?」と質問したところ、EBMに詳しい医師が口々にDPP4阻害薬の名を挙げたのだ。 「DPP4は、糖尿病治療薬でもっとも怖い低血糖を起しにくい薬」 勉強不足で恥ずかしいのだが、筆者にはその程度の認識しかなかった。だが、調べてみると、13年の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)に報告された2つの大規模ランダム化比較試験で、心血管イベントを抑制する効果はプラセボと同等という結果が出ていた。また、心不全による入院や重度の低血糖が多く、総死亡が高い傾向も示されていた。 18年の『米国医師会誌』

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