医薬経済オンライン

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リアルワールドデータが示す「キムリア」の実力

目標の米国で「10億ドル」に遠く及ばない理由

名古屋大学名誉教授 小島勢二

2020年1月15日号

 19年5月に過去最高額の3349万円で薬価収載された白血病治療薬「キムリア」は大きな話題となったが、半年経った現在、臨床現場での投与が開始されている。  国内承認・薬価収載時にノバルティスファーマからは、①白血病で8割、リンパ腫で5割の患者に大幅な症状の改善がみられ、②推定患者数はピーク時216人、予測販売金額は年間72億円と発表された。この数字を受け、当時の根本匠厚生労働相は、保険財政への影響は限定的とコメントしている。  CAR−T(キメラ抗原受容体改変T細胞)療法であるキムリアをめぐっては、その最適使用推進ガイドラインを満たす施設として170施設の名前が挙げられた。しかし、これまでのところ治療認定施設は10以下に抑えられており、最大20施設程度に落ち着く気配である。ノバルティスから各施設に割り当てられるキムリアは、月1例に制限されており...  19年5月に過去最高額の3349万円で薬価収載された白血病治療薬「キムリア」は大きな話題となったが、半年経った現在、臨床現場での投与が開始されている。  国内承認・薬価収載時にノバルティスファーマからは、①白血病で8割、リンパ腫で5割の患者に大幅な症状の改善がみられ、②推定患者数はピーク時216人、予測販売金額は年間72億円と発表された。この数字を受け、当時の根本匠厚生労働相は、保険財政への影響は限定的とコメントしている。  CAR−T(キメラ抗原受容体改変T細胞)療法であるキムリアをめぐっては、その最適使用推進ガイドラインを満たす施設として170施設の名前が挙げられた。しかし、これまでのところ治療認定施設は10以下に抑えられており、最大20施設程度に落ち着く気配である。ノバルティスから各施設に割り当てられるキムリアは、月1例に制限されており、合

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